会社と社員のホンネ会議

社員のホンネも、会社のホンネも。どっちも大事だから考えたい。

人が足りない。でも仕事は減らせない。――人手不足が引き起こす、会社と社員のすれ違い

 

【社員のホンネ】

 

職場は今日もギリギリ。

「また人が辞めた」

「これもやらなきゃいけないって言われた」

そんな言葉が日常になってしまった職場。

 

ただでさえ忙しいのに、退職や追加の仕事が出るたびに業務が圧迫される。

人が減っても、仕事が減るわけじゃない。

むしろ、「やらなきゃいけないこと」は年々増えている。

 

・書類は細かくなり

・法改正で新しい対応が必要になり

・外部のチェックも厳しくなっている

 

なのに、会社は「人員配置は基準通りです」と言ってくる。

 

それって、”人がいる”って言えるの?

誰の目にも明らかに足りていないのに。

 

 

【会社のホンネ】

 

現場の苦労は分かる。

でも、法的に定められた人員配置基準はちゃんと守っている

 

追加で人を雇えば、その分の人件費がかかる。

国の制度が「この基準で運営できるはず」と想定して報酬を設定している以上、その枠から大きくはみ出すと、事業として成り立たなくなる。

 

人を増やすということは、1人当たりの”分け前”が減るということだ。

それでも回さなければならない仕事がある。

だから、今いる人たちの力をどう伸ばすか、どう支えるかに注力せざるを得ない。

 

 

【すれ違う「想い」】

 

社員はこう思っている。

「もっと人を入れてほしい。今の人数じゃ限界だ」

 

会社はこう思っている。

「人は足りている。国基準の人数で回すにはどうすればいいか、創意工夫が必要だ」

 

どちらも、嘘じゃない。

でも、このすれ違いが、職場のモヤモヤをどんどん積み上げていく。

 

人手不足は、ただ「人を増やせばいい」という話じゃない。

「人が増えないならどうするか」

「今いる人の負担を減らすにはどうすべきか」

そこに目を向けなければ、いつまでも不満が積もるだけ。

 

人がいないなら、”やり方”を変えるしかない。

それが、次のテーマになる。