【社員のホンネ】
「もっと給料が上がったら、あれもこれも頑張れるのに」
「責任ばっかり増えて、評価は変わらない」
「やる気はあるけど、正直このままじゃ報われない気がする」
――こうした声、決して珍しくありません。
会社の期待に応えたい気持ちはあるけれど、「まずは結果を出してから評価される」という仕組みに、モヤモヤを抱える社員は多いのではないでしょうか。
評価制度があるといっても、すぐに給料に反映されるわけではない。
何をどこまでやれば評価されるのかが見えにくい中で、「頑張っても変わらないじゃん」と感じることもあるでしょう。
「やれば変わる」ではなく、「変わったらやる」の方が現実的。
それでも、会社は”先に頑張って”を求めがちだ。
【会社のホンネ】
「もちろん、頑張りは見ている。けれど評価は”成果”に対して行うもの」
「”やる気があります”ではなく、”これをやりました”を見たい」
「成果が上がったから、給料が上がる。順番を間違えると制度が崩れる」
――これが、会社側の正直な考えだ。
昇給や昇格は、限られた枠の中で行われる”選抜”のようなもの。
”これからやります”という意欲は評価に含めにくく、「やった事実」が先に必要だ。
さらに、会社としては、「公平性」も大切にしたい。
成果が見えないまま評価すれば、「なんであの人だけ?」という別の不満が生まれてしまう。
【すれ違いの正体は”信頼の順番”】
社員は「信じてくれたら頑張る」
会社は「頑張った姿を見てから信じたい」
このすれ違いは、”信頼の出し方”の違いかもしれない。
「結果が出てないのに認められるなんて無理」
「でも、結果が出るまでは応援されないのも辛い」
――このジレンマをどう乗り越えるか。
それには、小さな変化や挑戦の”兆し”に気付く視点が必要だ。
会社が”兆し”を評価することで、社員は「見てもらえている」という安心を得られる。
社員が”期待”に一歩踏み出すことで、会社は「信じてもいいかも」と思える。
評価は一方通行ではなく、信頼の循環が生み出すものだ。
【信頼の先出しが、評価の循環を生む】
給料と成果、どちらが先か?
その問いの答えは、白黒ではなく”グラデーション”の中にある。
評価制度は、数字だけでなく「変化の兆し」を見つける仕組みでもある。
会社が先に信じること。
社員が一歩踏み出すこと。
そのどちらか一方が始めれば、信頼の循環が回り始める。
そしてきっとその先に、「頑張ったから報われる」ではなく「見てもらえてるから頑張れる」そんな職場が、少しずつ育っていくのだと思う。
先出しできたところから、好循環が生まれるのだ。